あとがき
タイトルマッチに挑戦するのは、選手キャリアの一つのピークだ。
あの時、試合前日から試合後まで、私は太田くん(普段はこう呼んでます)の写真を本当に沢山撮った。
試合直前の舞台裏でカメラを向けるのは、集中したいであろう時に邪魔かなと気が引けたこともあったけど、極力写真に残したかった。
試合後、ブログに使い切れなかった分も含めてまともに撮れた物は全て彼に送った。
現役選手のキャリアはいつ終わるか分からないし、いつか彼がうんとおじさんになった時、夢中になって夢を追った日々の記録を見返したり、生まれて来る子供に見せられたらいいなと思ったから。
輝いていた日々の記録は一生の宝物になるだろう。
そもそも私がクラウドファンディングをやろうと思ったのは、私の渡航費が出ず、その分はファイトマネーから引かれてしまうと聞いたからだったけど、やった事がない事に挑戦してみたい気持ちも大きかった。
この時の太田くんみたいに。
独りよがりな切っ掛けではあるけども、支援者様たちは彼のファンばかりやから、彼らに喜ばれることをすることが筋であると思った。
お金を頂くことで、彼らの為に何が出来るだろうと必死で考えた日々だった。
クラファンサイトのページ内で活動を逐一報告できるブログ欄(活動報告)みたいなのを見つけた時に、一番喜んで貰えるのは、全員をタイトルマッチに連れて行ってあげることだと確信した。
その場に来れなくてもリアルタイムで参加して貰おうと思いついてから、自分が出来る範囲で極力、活動報告の更新をした。
正直、人の思いの重さを考えると自腹の方が気楽だったかも知れないと思ったことも何度もあった。
それでも終わってみれば、皆んなで夢を見た日々は最高だった。
試合が終わってから、クラファンのリターンのメールや手紙を書きながら、あるいは商品を詰めてる間中、感謝の気持ちがいっぱい溢れて来て、それは楽しい作業だった。
宛名書きを楽しいと思ったことも初めてだったし、終わって暫くしてからも、支援者様にお礼を言われたりして、申し訳なくもくすぐったい様な気がした。
あれから何ヶ月も経って、すっかり過去のこととして整理が出来たので、改めて記録しておきます。
あとがきまで読んで下さってありがとうございました。
これを切っ掛けとして、今後も自分とこのジムの選手だけになりますが、お金を出して下さった方がもっと楽しめる様に、可能な限り試合レポは続けていこうと思います。
レポは減量前あたりから、試合後までを追っていきます。
https://minagart.hatenablog.com/
全員がもっと楽しめる様に頑張りますので、今後とも引き続きお付き合い頂ければ幸いです。
とよはしボクシングジム/マネージャー
富永亜紀子